日々の呟きその2〜Subterranean
インフレイムスが1stアルバムを発売してから約1年後に発売されたこのEP、北欧メロデス界が世界に誇る名曲"Stand Ablaze"が収録されていることで辛うじて存在感を保っていますが音楽的には「ザ・過渡期」って感じの1枚ですな。
前作でヴォーカルを務めていたミカエル・スタンネにはダートラがあるからと断られたのか今回は参加なし、カール・ナスルンドは脱退してまた結成時の3人に戻っちゃった。泣ける。
でもギタリストの補充はなく、イェスパーはドラムをやめてギターに専念する決心をしたんですかね?まあ、デスメタルの要はドラマーといっても過言ではないからそろそろ自分のドラムでは具現化したい音楽の限界が見えたんだろうね…
で、今回のボーカリストには当時ドーン(DAWN)というバンドにいたヘンケ・フォーシュ、ドラマーとして前半2曲は当時ユーカリスト(EUCHARIST)のダニエル・アーランドソン、後半2曲はダートラのアンダース・ジヴァープを迎えています。
ちなみにドーンについてどうせ当時のイエテボリメロデスなんだろうなと思って聴いてみたところ、見事にブラックメタルで焦りました。マジで?
あとドラムのダニエルはユーカリストというよりもアチエネが有名で、アチエネ(というかマイケル・アモット)とスウェーデンのメタルコミュニティの繋がりが想像つかなかったですがダニエルに関しては兄ちゃんのエイドリアンがインフレイムスと同じイエテボリのアットザゲイツに所属してたから顔が利いたのかな?(アーランドソン兄弟の出身はスウェーデン南部のマルメらしい)
ちなみに音楽の話をすると、これがもう1stアルバムのショボさはなんだったの?ってくらいイェスパー(&グレン)全開!!って感じの出来でガッツポーズ。
なんだかんだで賛否ある"Stand Ablaze"ですが、イントロのピアノの旋律とそこから入るトレモロの慟哭リフだけで100点。いや1000点。
デモの頃から手伝ってたミカエルに比べるとヘンケが完全に雇われボーカリストだからか全曲かなりインスト重視、そしてやっとまともなドラマーが叩いているからか当時のデスメタル的な疾走感と多少複雑というか強引なリズムと曲構成になっているところが前とも後とも異なっていて、完全にこのEP独自の音楽性になっているのが興味深い。
メンバー的には歌詞はどうでもよかったのか、ヘンケの作る歌詞は文学的なミカエルと違ってかなりデスメタル的。ここでいうデスメタル的とは火をつけろ!とか泣き叫べ!とかの中二病全開の分かりやすい歌詞のことです。どうやらアンダース・フリーデンは"Stand Ablaze"の歌詞が嫌いだそうで。まあアンダースも別なベクトルで中二病(高二くらいか?)ぽい感じの歌詞書くからこういう当時のステレオタイプなデスメタル歌詞は嫌いそう…この曲に限らずEP全体的にだけど。
それもあってかこのEPからの曲は2000年付近からもうライブじゃやらなくなったけど、グレンとヨハンが抜けた時点でメンバー違いすぎるし当人達からするとライブでやる意味ないね…
ちなみにこの後彼らはメタリカのトリビュートアルバムに4th収録の渋い名曲"Eye of the Beholder"を提供していますが、ドラマーがダートラのアンダースなのは良いとして、ボーカリストがAncient SlumberなるバンドのRobert Dahneなる人物。全編普通声。なぜに普通声?デス声じゃないの?いや、良い声してるんだけどインフレイムスの名前つける必要なくないか…
ちなみにこのトリビュートアルバム、ダートラも参加してるのでアンダースはメタリカカバードラマーと化してます。
そしてアルバム作成後に今もインフレイムスを引っ張るビョーンをドラマーとして加入させることになります。しかしビョーンも本職はギタリストってことで、結局はイェスパーがドラム叩いてる時と変わらねえじゃん!って感じですが、よっぽどドラマーがいなかったんでしょうか…