кунинокотоブログ

ユーラシア大陸と食べ物と区画とメタル

あの日の幻の台湾料理屋(前職語りポスト~前編)

突然だが、台湾料理が好きだ。台湾は過去に一度しか行った事がないが、ローカルフードの数々は個人的な好みど真ん中で、今でも恋しくて毎週末行きたいくらいだ。

そんなことを考えていたとき、自分が以前勤めていた職場の近くに台湾を謳う中華料理屋ができた。そこはそれまでは所謂、中国人のいる大衆中華料理屋だった。食べ飲み放題3000円とかをよくやってるアレだ。

通常であれば素通りしてしまうところだが台湾と言われると黙っていられない。

しかし油断できないのは、台湾の文字が踊っていても実は台湾じゃないというパターン。ここみたいに。↓

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ここはここでなかなかディープなローカル中華を味わえて良かったのだが閉店してしまった。あの人は今どこにいるのだろう

 

という訳で意を決して入店して小籠包と牛肉のクミン炒めを注文。小籠包は台湾っぽいからという理由で、牛肉クミン炒めはただ単に僕がクミンが好きという理由だけでそれぞれ選んだ。

ちなみに小籠包だが、過去一度だけ台湾に旅行に行った時に僕はとにかく現地のご当地グルメを沢山食べたいと意気込んでいたため、小籠包みたいなメジャーな料理なんてどこでも食えるとイキっており小籠包を食べず仕舞いだった。

出てきたものは皮が薄くてモチモチした、いかにもな台湾小籠包で、ここに来れば鼎泰豊のたっけえ小籠包食わなくて良いじゃん!と喜び勇んだものであった。

 

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牛肉クミン炒めは美味しかったけどクミン控えめだった。大陸中華料理店のような、食材本来の味を抹殺するかのごとくクミンをドバドバ行かない控えめさが台湾らしさなのかもしれない

 

台湾小籠包の皮だけだと小麦成分が少なかったため、追加で頼んだ豚肉を中華まんで包んだようなものは、ほんのり八角が効いててガッツポーズ不可避。八角推しとしてはたまらない味付けだった。ちなみに全品300円也。

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豚肉に八角という組み合わせ、どうしても魯肉飯を思い起こされる。ちなみに個人的な推し台湾フードは不動の一位で魯肉飯

 

 

この店はランチもやっていて、点心セットなるものがあるらしい。もう一度小籠包を食べてみたくなったので今度はランチに来店、頼んでみた。

点心セットの名に恥じない、いやそれ以上の圧倒的な"白さ"を誇る定食が登場した。

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眩しいほどに白い

 

水餃子、焼売、小籠包はもちろんのこと白米やスープ、デザートの杏仁豆腐まで白い。おまけに食器も白い。何この白さ。白定食かよ。

しかしスープを飲んで覚醒。見た目普通の卵スープなのに八角めちゃ効いていて最高。スープだけではなくて肝心の点心も白米も杏仁豆腐も美味くて、白飯ならぬ白い食べ物は最高という結論に達した。

 

またある日は豚肉ご飯的なのを頼むとあの台湾独特の八角と甘いもの味付けの、まさに台湾ストリートフードさながらの味付けが高ポイント。ただ、個人的に気になったのはワンタンスープのワンタンがなかなかの暴虐っぷりであることである。

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左上の小皿は麻婆豆腐なんだけどバランス的にはワンタンスープと麻婆豆腐の器が逆な気がする

 

小籠包の皮の薄さと反比例するかのような分厚そうな皮、まるでジョージア料理のヒンカリをそのまま小さくしたようだ。

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上記は都内のロシア料理屋でヒンカリを食べた時のレポートだが、記事中に出てくるヒンカリの写真よりも記事中に貼られている「ヒンカリのWikipediaページのリンク」を参照した方が多分僕の言わんとしていることが伝わると思う

 

そしてもちろん見た目通りの皮の食べ応え。ワンタンスープだが皮の印象しか残ってないくらい。この店…できる…と感じた瞬間であり、これから毎日リピートすることが確定した瞬間でもあった。

 

 

…と思っていた最中、ある日「諸事情のため一旦お休みします」との張り紙とともに消息を経ち、そのままお休みが明けることなく他の中華料理屋(いかにもオーソドックスな中華居酒屋)に変わってしまった。

そして僕も程なくして転職することになりそれ以来その街に行くことは無くなった。

 

あの絶妙な台湾料理を提供し続けてくれたおっさんは、今も日本のどこかにいるのだろうか。それとも祖国に帰っているのだろうか。

いつか台北とかに行った時に会えることを祈る。(台湾人かどうか知らんけど)

 

 

おしまい

 

 

■台湾でローカル飯を食いまくってきた時の記録

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