кунинокотоブログ

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日々の呟きその3〜The Jester Race

インフレイムスイエテボリメロデスを極めてたアルバムといえばこの2nd、ジェスター・レース!!!!イエテボリスタイル最高!!!!

ザ・ジェスター・レース

ザ・ジェスター・レース

 

イエテボリメロデスの名盤とされるアットザゲイツのスローターオブ〜やダートラのギャラリーの発売を尻目に制作されたこのアルバム、当時のインフレイムスとしても「速くてメロくて慟哭系(そしてちょっとフォーキッシュ)」という"あの"流れの彼ら版のようなアルバムを作りたかったに違いない。多分。

とは言ったものの前作EP発売後にドラマーとしてビョーン・イエロッテが加入してもなお彼らは慢性的なボーカリスト不在に困らされてたみたいですね。

しょうがないから2ndに収録されることになる"Dead Eternity"と"The Inborn Lifeless"("Dead God in Me"のプロトタイプ)のデモを作成するも、例によって作詞とボーカリストはヘルプです。前者はヨアキム・ゴスベリ(当時マーダック)、後者はペル・ギレンベック?なる謎の男が歌ってます。

ちなみにヨキアム、後にイェスパー、グレンとディメゼロ組んでそこでボーカルしてます。そしてゴスベリ(Göthberg)という苗字、彼らの故郷イエテボリ(Göteborg)に似てますね。日本で言うところの石川さんみたいな感じか?

 

そんなこんなありましたがダートラを辞めて少し経つアンダースがボーカリストとして加入し、手始めに?アイアンメイデンのカバー("Murders in the Rue Morgue")を録音した後2ndアルバム作成、ここに初期の黄金ラインナップが完成したと。ちなみにアルバムクレジットだけみるとビョーンとアンダースは途中加入組って感じですがインフレイムスがちゃんとしたバンドとしてアルバム作ったりマスコットキャラクター作ったりライブやったりしだしたのがこの頃なので、ある意味この2人もバンドとしてのインフレイムスオリメンと言っても差し支えないのでは。

 

そういえばこのアルバム、何故か日本盤と海外盤で曲順が異なってて海外盤(つまり正規盤)は"Moonshield"でしっとり始まるという謎仕様。"Dead Eternity"も6曲目という微妙な位置だし"Dead God in Me"で〆るという何とも言えないラスト…まあラストに関しては日本盤も"Lord Hypnos"だからあんま変わらんけど。彼らの思惑は分らんが1曲目は普通に勢いがあって慟哭リフ炸裂の"Dead Eternity"の方が普通に良いと思うけどな。

 

ただそれを差し置いても曲は粒揃いで、日本盤冒1曲目である慟哭必至の名曲"Dead Eternity"から始まり"Graveland"、"December Flower"、"Dead God in Me"と、まるでインフレイムスとは思えぬほど疾走曲目白押し。イェスパーとグレンのアイデアがピークに達してますね。メロも慟哭しまくりだし。新加入のビョーンも何曲か作ってるしヨハンも唯一作曲に関わってますね("The Jester's Dance"をイェスパーと共作)。

前述の"Moonshield"だけはイェスパー単独作のようです。ほほう、これが所謂イェスパー節というやつか…

 

それにしても初めて"Dead Eternity"を聴いたときにはそのカッコ良さに仰け反るとともに、随分明るいデスメタルだなぁと思ったものです。

今聴くとそうでもないんだけど、イントロのブラストビートのフレーズと共に聴こえるギターフレーズが当時聴き慣れたトレモロリフとは一線を画してるというか、あまり邪悪に聴こえない感じが新鮮だったのかも。

ちなみに新加入のビョーンのブラストが余りにもスネア殆ど聴こえないもんだから最初ブラストビートだと気付かなかったですよこれ。おかげで僕の中でビョーン=しょっぱいドラマーという方程式が成り立ってしまいました。改めて当時のライブ映像とか観ると言うほど悪くないんですがね。

そしてビョーンはアルバム中でドラムだけじゃなくてちょいちょいリードギターも弾いてるらしいですね、イェスパーとそういう契約でも結んだのかね?(ギターも弾かせてやるからドラム叩いてくれや的な)

とにかくこのアルバムは次作に比べると前作EPのようにイェスパー&グレンのタッグの魅力が存分に発揮されているだけでなくこの後開花するイェスパー&ビョーンの良さも加わっており、曲調も速くてメロくて慟哭、まさに非の打ちどころが無い奇跡のバランス感覚を持った1枚の訳ですね。

 

ちなみにアンダースはこの時まだ英語にそこまで自信がなかったのか、ダートラのギタリスト、ニクラス・スンディンの力を借りて作詞をしています。これは2作後の名盤コロニーまで続くわけですが、なぜにミカエルでなくてニクラス?ミカエルだと作詞の実力がありすぎてもっといけてる歌詞を提案されちゃうと危惧したのか?

そして例によって2ndの日本盤ライナーノーツではアンダースは「アンデーシュ・フリーデン」と記載されています。でも1st時のビョルン・ゲロッテとかジェスパーとかと比較するとアンダースに関してはむしろこっちの方がスウェーデン読みなんじゃないかという気も…