кунинокотоブログ

ユーラシア大陸と食べ物と区画とメタル

日々の呟きその4〜Whoracle

インフレイムスはWhoracle、もしくはColonyまで。それ以降は魂を売った駄作。(異論は認めない)

みたいな老害って多い気がしますが自分も歳を取ってきて最近やっとWhoracleの良さが分かってきました。老害の仲間入りです。

ホラクル?堕落の神告

ホラクル?堕落の神告

 

 このアルバムは次作以降の「インフレイムス的なぬるいメロデス路線」の始まりとなった感じがします。その理由はやはりドラマーのビョーンが積極的に作曲に関わりだしたことがでかいね。"Jotun"とか"The Hive"とかその後のインフレイムスを決定づけるような代表曲はイェスパーとビョーンの共作だし。

その一方でこれまでのイェスパー&グレンコンビの曲も数曲あって、それがまた以前のインフレイムスとの懸け橋になっていて、このアルバムがオールドスクールメロデス原理主義者にも気に入られる理由となっているのかと。

というか改めてクレジット見るとグレンが作曲に関わってる"Food for the Gods"も"Morphing into Primal"もこの後の彼らには見られないイエテボリリフで慟哭を禁じ得ない3連疾走チューンだし、"Worlds Within the Margin"もB級メロデス的な感じが後にも先にも無い感じ。というか、グレンの曲がインフレイムスに合わなくて(激し過ぎて)結成したのがご存知ディメゼロとのことだけど、これ見るとなるほどって感じだわ。イェスパー&ビョーンカラーの中においてグレンの曲が完全に浮いている…

ちなみにこれまた3連でゆったり進行するメロデスバラード曲の"Gyroscope"と"Jester Script Transfigured"はイェスパーの単独作。前作の"Moonshield"に続いて彼はこんな感じの曲調がお気に入りなんですかね。

それとは対照的に3分足らずで駆け抜ける疾走曲"Morphing into Primal"はイェスパー、ビョーン、グレン、アンダースの共作。…アンダース?アンダース曲作れるんか。つーかこの単純な曲をどうやって共作したんだ…???

 

ちなみにこの頃のインフレイムスは前作でやっとバンド編成になったこともあって割と精力的にヨーロッパをツアーしてたっぽい。で、そのツアー生活がキツかった…と言うかバンドでメシを食いたい派と堅実に生きたい派のギャップ?がありホラクルを作り上げた時点でグレンとヨハンが脱退。

グレン、前作まではリードギターだったのに今作ではリズムギターしか弾いてないようだし既にやる気なかったんかな…何故かドラマーのビョーンがメインのリードギター弾いてるし、こりゃあ、最早乗っ取りだね。

でも、ギターで曲作って、リードギターまで弾いて、でも自分はドラマーだからそのギターはライブじゃ弾けないことが分かってるって、どういう気分なんだろうか?

 

 まあそんなこんなでリードギタリストにガーデニアンのニクラス・エンゲリン、ベーシストに2ndのサンクスリストにも名前があったピーター・イーワスを入れて初の来日公演をするわけだが、ラインナップだけ見ると2010年にイェスパーが抜けた後のラインナップと殆ど変わらないという不思議。(1997年のメンバーはイェスパー、アンダース、ビョーン、ニクラス、ピーター。2010年はイェスパーがいなくてドラマーのダニエルがいる)

ちなみに自分がインフレイムスの曲の「ギターソロ」で一番好きなのはこのアルバムの日本版ボートラ収録(もともとはシングル「Black-Ash Inheritance」収録)の"Goliaths Disarm Their Davids"です。これぞ""慟哭""じゃないですか?

そして同じくのアコースティックメドレーは "Artifacts of the Black Rain"、"Dead Eternity" 、"Jotun" を繋げたものですが、もとは共作扱いなものの、このメドレーの作曲者がイェスパー単独になっているところからみると、やっぱりイェスパーが作曲の要なんだなと。